イタリアこぼれ話(49)冷房設備は珍しい

以前にも触れた事がありますが、今回はイタリアの冷房についてのお話です。

今夏も日本では、一部の地域を除いて猛暑が続いていますし、聞くところによると、イタリアも40℃超えの猛暑に見舞われているそうです。

私がイタリアに滞在していたのは、1995年~2001年ですので、当時は近年のように、猛暑が当たり前ということはなかったと記憶しています。

ですから、現在はイタリアでも、冷房の普及が進んでいるかもしれません。でもおそらく、日本のように、どこにでも冷房があるという状況には、なっていないだろうと予測しいます。

私の居た頃は、一般家庭で冷房がある所は、ほとんどなかったと思います。少なくとも、私の知り合いの中には、冷房のある家は一軒もありませんでした。

ホテルも中級クラス以下では、まず冷房設備はありませんでしたし、高級ホテルでもない所がありました。

列車も冷房があったのは、日本の特急に該当する列車のみでしたし、市電や市バスにも冷房はなかったです。

劇場も小さな所には冷房設備はなく、私は夏になると汗だくになって歌を歌ったものです。冬の場面では、その様な劇場で厚手のオーバーコートを着たり、襟巻きを巻いて出演しなければならず、地獄のような暑さでした。

劇場は構造上、外気が直接入るような窓もありませんので、観衆の入った、冷房のない締め切られた空間の暑さは、今、思い出しても気分が悪くなりそうです。

ただ劇場は特別だとしても、当時のイタリアでは、日中でも室内で窓を開けていれば、暑いと感じる日や、寝苦しく感じる日は、ほとんどありませんでした。

いちおう扇風機を購入したのですが、使用したのは6年間で数回だったと記憶しています。

当時のイタリアは、日中に直射日光にさえ当たらなければ、十分に快適に過ごせたのです。

やはり日本の夏とは、湿度が全く違ったようで、夏に日本へと帰国すると、飛行機から一歩を踏み出した瞬間に、ねっとりとした熱気に包まれて、日本に帰ったと実感させられたものです。

近年の夏の猛暑化が、二酸化炭素の放出過多等による地球温暖化によるのか、他の要因があるのかは分かりませんが、このまま猛暑化が進んでいけば、地球上の多くの地域で、夏期の通常の活動が困難になるのでは?と懸念されます。

byなおいー

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イタリアこぼれ話(49)冷房設備は珍しい」への3件のフィードバック

  1. 冷房がないとは、聞いただけでぞっとします^^;扇風機だけでも大丈夫とは、湿度の差は大きいのですね。言われて見れば、私の子供の頃は、扇風機しかありませんでした。日本の夏でも、贅沢を知らなければそれまでです(^^)

  2. イタリアの冷房事情、面白いです!
    日本の某動物園ではヒトコブラクダが熱中症で死んだとか聞きますし・・・アフリカの方が「本国より日本の方が暑い」と答えているコメントもありました。
    今後どうなっていくのか、考えるだけでグッタリします。。。

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