なおいー写真紀行第186回

今回の画像は、通常、訪れる事が可能な日本最北端の地、北海道の宗谷岬のものです。

1枚目は日本最北端の地の碑、2枚目は宗谷岬で撮った上空の空です。

画像は夏期のものですが、この地域の厳冬期の気象条件は、山岳地域を除けば、道内でも有数の厳しさでしょう。

海沿いなので積雪量は極端に多くはありませんし、気温も内陸部のように極端に低くはなりません。

ただ風が強く暴風雪に見舞われる日が多く、そうなるとホワイトアウトで視界が失われて、とても目を開けていられません。

気温がマイナス10℃でも、風速20メートルの風が吹いていれば、体感温度はマイナス30℃なのです。

暴風雪は地元在住の方でも、遭難する可能性があるほど、恐ろしいものです。ホワイトアウトで方向感覚を失って、自宅の庭で遭難することさえあるそうです。

そのため、宗谷岬の近くにある稚内空港は、閉鎖される日が増えますし、鉄道も運休、主要道路も通行止めになる日が少なくありません。

しかも暴風雪に見舞われる日は、近年増加傾向で、一度交通機関がマヒすると、陸の孤島になって、3~4日間にわたって稚内地方から抜け出せなくなる可能性があります。

ですから帰宅の日程に余裕がない時には、帰路の気象情報・交通情報に留意して、暴風雪が予報されていたら、迷わず訪問を見合わせるべきでしょう。

もっともそれだけに、厳冬期の旭川以北の北海道最北部は、旅行者にとっては魅力的ではあるわけですが、その様な地域で普通に日常生活を送っておられる皆様のご苦労は、とても私の想像が及ぶものではないでしょう。

さて、宗谷岬は北緯45度31分 東経141度56分にあって、宗谷海峡で隔てられたサハリンまでは最短距離で43km。天気の良い日には、サハリンの島影を望むことが出来ます。

宗谷岬を、通常、訪れる事が可能な日本最北端の地と表記しましたが、日本政府の主張に基づけば、日本の最北端の地は、北方領土の択捉(えとろふ)島のカムイワッカ岬で、北緯45度33分 東経148度45分とのことです。

ただ、実際にその地を訪れる事は、極めて困難だと考えられますので、現状では宗谷岬を、現実的に訪問が可能な最北端の地と認識して構わないと思います。

(この〈写真紀行シリーズ〉で使用しております画像は、一部を除きまして撮影時期が古く、地域別・テーマ別に投稿する順番を決定しております。そのため、画像が現状とは大きく異なっていたり、画像の季節感が、掲載された季節とは、不一致な場合があります事を、ご容赦頂ければ幸いです。)

byなおいー

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なおいー写真紀行第186回」への3件のフィードバック

  1. 最北端は、ロシアが見えるのですね。
    それにしても、自宅で遭難とは凄いです。

  2. なおいーさんのお写真と文章で、最北端の寒風に吹かれた気分です!以前、強い吹雪時に運転して凄く怖かった覚えがありますが、ホワイトアウトなんて、どれだけ恐ろしいんでしょうね(;゚Д゚)

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