イタリアこぼれ話(54)「安全対策」

数年間続いた、新型コロナウイルスへの感染対策も緩和され、海外へ渡航される方も増えているようです(2023年9月記)。

これから、イタリアを訪問される方が、おられるかもしれません。

そこで今回は、私の6年間の、イタリアでの滞在経験を元にした、安全対策をまとめてみようと思います。

やはり日本の安全意識は、海外では通用しない場合が多いので、イタリア等を訪問される際には、参考にして頂ければ幸いです。

私はこれらの対策のお陰で、1度も被害に遭う事がありませんでしたので、それなりの効果はあると思います。

ただこれは、被害が生じなかった(被害を防げた)という事で、犯罪行為の対象になったことは何度もあります。

尚、ご紹介する対策は、基本的にイタリア以外の国においても有効だと思いますが、暴力的な犯罪、例えば、力ずくでのひったくり、殴り倒して身ぐるみを剥ぐ、拳銃等を使う・・・といった凶悪犯罪が多発している国や地域においては、別次元の厳重な安全対策が必要になります。

ご紹介するのは、あくまでも、スリや置き引きのような犯罪への対策が中心です。

(1)外出時に貴重品を入れる場所は、2ヶ所までにして、人混み等では、その場所のファスナー等を手で押さえる。そのためには、必ず両手を空けておく。

ガイドブック等では、貴重品を分散させるように勧めているものが多いですが、手は2本なので、2ヶ所までしか守れません。

それ以外の貴重品は、腹巻きや首から下げる貴重品入れ等で、衣服の下へ隠す必要があるでしょう。

(2)人前で財布の出し入れをしない。

その日の行程で必要な現金やクレジットカード、チケット等は、外出前に財布等から出して、上記(1)の貴重品保管場所に入れておくと良いでしょう。

外出先で財布を出す必要が生じた時は、化粧室の個室内で。腹巻き等から出し入れする時も同様です。

人前で財布をしまうと、「ココから取って下さい」と言うようなものです。高確率でスリに目を付けられます。

私は取られても困らないくらいの現金は、チェーン付の財布に入れて、ベルトに固定した上で、ポケットに入れておきました。

それで1度も取られなかったので、効果はあるようです。やはりプロのスリも、仕事は楽に済ませたいみたいです。そういう意味では、用心深く対策を取っている人物と見せることが有効だと言えそうです。

(3)持ち物からは視線を外さない。視線を外す時は手で押さえたり両足で挟む。

特に、電話をかけたり写真を撮る時、何かを購入する時、人から話しかけられた時、出入口を通る時等は、貴重品から意識が離れやすいので要注意です。

またレストランでの食事中に、隣の席や体と背もたれの間に、貴重品入りのバッグを置く事、背もたれに貴重品を入れたままの、上着をかけること等も大変危険です。

(4)可能な限り、街中の路上で地図を広げない。

街中の路上で地図を広げると、周辺の地理に不案内だと、周囲に告知する事になって、ニセ警官等、旅行者を狙う犯罪者の標的になりやすくなります。

また、地図に意識が集中してしまうと、周囲への注意力が低下してしまいます。

出来るだけ、ホテル等から出掛ける前に、目的地までの経路を頭に入れておくのが安全だと言えます。

(5)乗り物の中では、居眠りをしない。

列車等の中で、居眠りをしている間に、貴重品の盗難に遭う方が少なくありません。

旅行中は疲労が溜まりやすいですが、就寝時の睡眠をしっかりと取って、乗り物の中で居眠りをしないように注意が必要です。

もっとも、夜行の寝台列車では、翌日の行動に備えて、しっかりと眠るべきです。ただし、個室でない場合には、貴重品の管理には、万全な対策が必要です。

また、日本とヨーロッパを結ぶような、長距離の国際線では、眠る必要がありますが、逃げ場のない飛行機の中は、比較的安全だと言えそうです。

(6)他の人から貰った飲食物は口にしない。

防犯上、イタリアでは、例えば列車内で知り合った人に、所持している飲食物を提供するという習慣はありません。

ですから、列車内等で飲食物を提供されたら、何らかの意図があると判断しなくてはなりません。

実際、睡眠薬入りの飲み物を飲まされて・・・という被害が、時々、起こるようです。

そういう事情がありますから、勧められた飲食物を断って口にしない事は、全く失礼にはなりませんし、こちらから、飲食物を勧めるのも避けるべきです。

また、現地で知り合った人と、飲食を共にする時も、用心が必要です。

席を外した間に、飲み物に睡眠薬を入れられて、その後、後をつけられ・・・といったような犯罪行為もあるようです。

(7)街中で衣服や所持品が汚された時は、近くのホテルやショップに入る。

これは大都市の駅前等で多発していて、背後から衣服や所持品に、アイスクリームや接着剤を付けた後、親切を装って近付いて来て、汚れを拭き取るフリをしながら、隙を見て貴重品を抜き取るという犯罪です。

もし遭遇したら、慌てず親切?を断って、まずは近くのホテルかショップに入ってしまうことです。

その上で、ホテルの化粧室等を借りて、可能な範囲で汚れを落とすしかないでしょう。

以上のように、旅行中に盗難等に遭いますと、楽しいはずの旅行が台無しになりかねません。特にパスポートや航空チケットが被害に遭うと、次の目的地への移動や、帰国の日程にも影響が出る事もあります。

特に個人旅行の場合は、パスポートを無くしますと、自分の身分を公的に証明する物が無くなりますので、大変な不利益を被る事になってしまいます。

海外へお出掛けになる機会がありましたら、ぜひ、万全な対策を心掛けて頂きたいと思います。

byなおいー

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イタリアこぼれ話(54)「安全対策」」への3件のフィードバック

  1. 疑り深い私でも、そこまで用心しなければいけないのか、と思ってしまいます。(^^;;治安の悪い海外は怖いですね。

    想念でコミュニケーションをとる幽質界では、あり得ないはなしですね。

  2. ここまで行わなくてはならないとは驚きです!( ゚Д゚)
    この世もあの世も、生きていく先の状況を知り、転ばぬ先の杖を用意しておかなくては、後で泣きを見ても、後悔先に立たずですね。

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